東京から福岡に引っ越して2年3カ月が過ぎました。東京で長く生活してきた私たち家族は、地方の豊かさを実感しています。「東京には戻りたくないかも…」と思うほど。
しかし来年は東京に戻ることになりそう。そこで、この福岡生活の記録を残します。
今回は東京での暮らしを思い出しながら、私が福岡に移住して感じた魅力と気づいたことを書きます。
おいしい食材
魚がおいしい
福岡での生活で、まず満足したのは、まず魚です。東京では築地に行けば多種多様で良質な魚が手に入ります。しかし福岡では、築地レベルとはいわなくても、近所のスーパーで新鮮で質のよい魚が手に入るのです。夕方のスーパーでは割引シールも貼られるから財布にも優しい。また福岡の漁港は魚を直接買える日も設定されているので、それこそ新鮮そのものの魚を買うこともできます。
ラーメンもよい
そして、豚骨ラーメン。最初は野性味あふれるニオイに戸惑いました。いや正直なところかなり強烈なニオイで閉口しました。妻や子は一口で箸を止めてしまうほど。しかし慣れるとそのニオイが恋しくなり、今ではその風味がないと物足りなく感じます。これはもう、ちょっとした中毒ですね。
しかし今では妻も子も一緒にクサイ豚骨ラーメンを楽しんでいます。
もつ鍋は自宅で満足
さらに、福岡といえばもつ鍋。しかし外食では食べません。鮮度のいいもつが専門店で手に入るので、自宅で本格的なもつ鍋が作れるからです。私は福岡市東区の「池尻商店」で買っています。店舗の接客は簡素ですが、品質は間違いナシ。通販の取り扱いもあるので東京に戻っても注文するつもりです。
「ミックスホルモン」と「自家製もつ鍋スープ」がおすすめ。もはやわが家では「自宅もつ鍋」のみ。
▶︎ 池尻商店 Instagram
https://www.instagram.com/ikejiri_shouten/
自然が近くて楽しい
低山ハイキングや海水浴
福岡は、都会でありながら自然との距離が近いのが大きな魅力です。車を走らせれば、すぐ海に出られて、週末には気軽に低山ハイキングに行けます。夏は、学校帰りの子どもを連れてそのまま海へ直行！なんてことも。東京では味わえなかった贅沢な時間の使い方をしています。
温泉地へのアクセスがよい
そして、個人的に一番満足しているのが「温泉」です！ 福岡市内には「九州八十八湯」に指定される博多温泉があり、市街地にあるのに驚くほどの泉質で、もう最高です。少し脚を延ばせばさらにいい温泉がたくさんあって、高速道路を使って福岡ICから1時間ちょっと車を走らせれば、良質な温泉を巡れます。さらにうれしいことに九州には「家族風呂」という文化があり、家族一緒に貸し切りの温泉を楽しめるのです。
小さい子どもがいる家庭で温泉好きなら、「家族風呂」はとってもおすすめです。
博多や空港が近い
博多や福岡空港に電車ですぐ行けるのでとっても便利です。博多駅からは新幹線に乗れるので九州各地に行くのがとても楽です。また、福岡空港へのアクセスのよさも大満足で、空港へは博多駅から電車で2駅、数分です。旅行や出張が非常に楽で、とても助かります（国際線は空港内での移動が長めだから、ほんのちょっと手間ですけどね）。
人が多すぎない
「電車に乗っても人が多すぎない」「高速道路を走っても渋滞がとても少ない」。これが私にはとても心地よいです。東京のぎゅうぎゅう詰めの満員電車は私には厳しくて、早々とその生活から逃げ出しました。福岡では混雑していても「立って乗る」程度なので、私は苦痛を感じずに電車に乗れます。
日が長く、暮らしがゆっくり
福岡は東京と比べて格段にストレスが少ないです。高速道路の渋滞は少なく、かなりゆとりがあります。電車の本数は東京ほど多くありませんが、私は最寄り駅から博多・福岡空港に行くくらいなので不便は感じていません。
そして福岡のいいところの一つが、日が暮れるのが遅いこと。東京よりも夕方の明るい時間が長いのです。仕事を終えてもまだ外が明るくて、ひと遊びできそう。これが牧歌的というか、しみじみとしていて、幼年期に見た夕暮れの風景を思い出すようないい感じです。子どもの情操教育にもよい気がします。
生活と子育ての安心感
福岡に引っ越して、趣味にも変化がありました。マンションのベランダで野菜や花を育てています。季節を感じられるのがいいですね。
住むエリアは小学校が近くて通学路も安全で、親の送り迎えの必要がなくて本当に助かっています（東京では午前7時35分に登校班に集合していて、また親も同伴していたので少し大変でした）。いま人口が増えているエリアに住んでいるため、夕方や休日には子どもの声が聞こえます。小学校のチャイムの音も聞こえます。のんびりしている印象です。
コーヒーがおいしい
引っ越してきて意外だったのは、コーヒーのおいしさです。近くのコーヒー豆専門店は、すっきりしているのに深みのある豆を取り扱っていて、通販に頼らなくとも本格的なコーヒー豆が日常的に手に入ります。調べたら福岡はコーヒーも有名のようで、おいしい喫茶店もいくつか発見できました。
ちょっと都会
意外だったのは「東京の下町よりも都会」と感じることです。以前は東京23区の下町に住んでいましたが、いま住んでいるエリアは開発が進んでいて、近所に家電量販店や人気のスーパーなどもできて、不便さを感じません。むしろ東京の下町で暮らしていたときとは違う「都会さ」を感じます。コンパクトなエリアに商業施設や文化施設が集まっています。
気になる点を挙げるならば
車の維持費がかかる
福岡では車を所有するのが便利かもしれません。つまり車の維持費がかかります。東京では電車で移動できる範囲に目的地があることが多く、車を持たずに過ごしました。車が必要な場合はカーシェアを簡単にできますし。しかし福岡では目的地が駅から離れていることが多く、またすぐ車を使いたい状況が増えました。思い立ってすぐに海や山、温泉へ行けますし。
交通マナーがやや悪い
そして交通マナーが東京より悪いかもしれません。交差点内や黄色線をまたぐ車線変更が頻繁に見られます。初めて九州の高速道路を走ったときは驚きました。今は慣れたので全く気になりません。なんというか、大らか…。そして夜にバイクが集団で走る音が聞こえます。なんというか、ちょっと懐かしい感じ？ 海が近いので走りやすいのかもしれません。
近所の公園は遊具が少なめ
近所の公園は遊具の種類が少なく、東京都内とは印象が異なります。しかし、脚を延ばせば海の中道海浜公園のような敷地がとても広くて設備が充実している公園があったりします。子どもが成長して公園の遊具で遊ばなくなってきたので、今は気になりませんが、子どもが小さいころは公園の遊具でよく遊んだので、少し気になりました。
最後に
たった2年3カ月ですが、福岡での暮らしが気に入っています。来年は東京での生活に戻りそうですが、福岡での生活は家族のよい思い出になりそうです。「また福岡に住みたいね」なんて家族で話すこともあります。
これから移住を考える方、子育て中で暮らしを大切にしたい方、都会と自然のちょうどいいバランスを求める方に、福岡での生活はお勧めできると感じています。
