羽釜で炊くご飯が最高で、このうれしさを伝えたい。ということで記事を書きます。「2024年、買ってよかった品」の一つに確定です。この羽釜は一般的なガスコンロのあるキッチンで使える道具です。羽釜で炊くご飯のおいしさが伝わってほしい…!
この記事を書きたくなった理由
「伝統的な道具で炊くご飯が、現代の道具で炊くご飯よりもおいしい」「キッチンのガスコンロで使える」。この事実に感動して記事を書きました。高価な電気炊飯器で炊くよりもおいしくて、旅館で「食事の時間に合わせてガスで炊いたご飯」よりもおいしかったのです。昔からの道具を見直しました。おいしいご飯を食べると幸せなのでお裾分けしたい。
羽釜とは何か
羽釜は鉄製の釜に羽根状の突起物が付いた炊飯器です。薪を使う「かまど」で使われていました。日本では平安時代に土器の羽釜が使われていたそうです。鎌倉時代に鉄製の羽釜が登場して、江戸時代前半に庶民に広まったのだとか。炊飯するのに合理的な形で、羽釜の羽根が熱を上手に蓄えて、釜底の丸い形状がお湯の対流をいい感じにして炊き上げてくれます。お米がとてもおいしく炊けます。
羽釜で炊くご飯の魅力
羽釜を使うと「ふっくら炊けるのにお米がべとつかない。米粒の食感が確かでお米の味がよく分かる」。こんな感じですが、個人的に羽釜の力を最も実感するのは「おにぎりを作ると、とてもおいしい」ところです。
おにぎりにすると味の違いがよく分かります。とてもおいしい!
おすすめの羽釜
ウルシヤマ金属工業の羽釜をおすすめします。「アルミニウム製」で「フッ素加工なし」、質実剛健な作りです。購入前に製品について問い合わせたら、返信のメールは職人的な誠実さを感じられる内容でした。わが家(家族3人)では5合炊きの羽釜を使っています。
フッ素(元素)は猛毒ですが「フッ素加工は健康に害がない」といわれています。しかし私は自身の考えでフッ素加工を避けています(わが家独自の安全基準より)。
羽釜と一緒に使いたい道具
木のふた
羽釜を使うなら木のふたをおすすめします。木のふたは蒸気をうまく吸い取ってくれるので、炊き上がってふたを開けるときに水滴がお米に落ちません。金属のふたは水滴が残るので、お米に水滴が落ちやすいのが気になりました。また金属のふたは炊飯中に蒸気で揺れて金属音が少し鳴ります。木のふたは蒸気で少し動くことはあっても音が鳴りません。
わが家はこの木のふたを使っています。5合炊きの羽釜にちょうどのサイズです。
おひつ
炊いたご飯を「おいしく冷ます」道具です。旅館の食事で出てくるような「お米の入った円い箱の入れ物」ですね。木製のおひつはお米の水分をいい感じに吸ってくれます。炊き上がったご飯を羽釜からおひつに移せば、羽釜をすぐに洗えて後片付けが楽なのです。
わが家は生活クラブ(生協)で買いました。
羽釜での炊き方
わが家での炊飯方法
わが家は5合炊きの羽釜を使っています。七分づき(米ぬかを3割残す/白米に近い)くらいに精米して、少し硬めに炊くのが好みです。なお、取扱説明書に記載されている炊飯方法はこちらです。
炊飯前にお米を洗って「洗い米」を作ります。お米を研いで水でそそぎ、それを数回繰り返してからザルに上げます。ザルに上げたまま30〜40分くらい置けば「洗い米」のできあがり。昔ながらの洗米方法です。おいしく炊けますよ。詳しくは動画をどうぞ。
中火〜強火で加熱します。数分すると羽釜とふたの間から蒸気が漏れてきます。蒸気と一緒に水分も出ますが下のかまどが水滴を受け止めてくれるのでガスコンロが汚れません。機能的です。
ふたから蒸気が漏れてきたら、弱火にして15分くらい加熱します。
火を止めて15分くらい蒸らします。
蒸らし終えたら、お米を羽釜からおひつに移します。
羽釜・ふた・かまどを洗います。タワシを使って水だけで洗えばすぐきれいになります。洗剤は使いません。使ってすぐだから簡単にお米が落ちます。
洗って水を切って乾かしたら羽釜を片付けます。わが家はキッチンのシンク下に収めています。
取扱説明書に記載されている炊飯方法
ウルシヤマ金属工業「謹製釜炊き三昧」の取扱説明書に書かれている炊飯方法はこちらです。
白飯の基本の炊き方
- 米を洗い釜に入れる。水位線に合わせ水を入れ、2時間浸水させる。
(お急ぎの場合は夏場30分、冬場1時間) - ガスコンロの五徳の上にかまどを置き、釜をのせる。蓋をして中火で加熱を開始する。
- 沸騰したら(吹きこぼれたり、蓋がカタカタと動き始めたら)、弱火にし、下表の時間加熱する。
- 火を止めて蒸らす。
炊飯量 | 沸騰後の炊飯時間 | 蒸らし |
1合 | 約5分〜7分 | 約15分 |
2合 | 約6分〜8分 | 約15分 |
3合 | 約7分〜9分 | 約15分 |
4合 | 約8分〜10分 | 約15分 |
5合 | 約9分〜11分 | 約15分 |
玄米の基本の炊き方
- 玄米をこすり合わせるように強めにゴシゴシと洗い、3時間以上浸水させる。
- ザルに上げ、水を切った玄米と分量の水を釜に入れる。
- ガスコンロの五徳の上にかまどを置き、釜をのせる。蓋をして中火で加熱を開始する。
- 沸騰したら(吹きこぼれたり、蓋がカタカタと動き始めたら)、弱火にし、下表の時間加熱する。
- 火を止めて蒸らす。
対応釜 | 炊飯量 | 水の量 | 沸騰後の炊飯時間 | 蒸らし |
2合・3合・5合 | 1合 | 300cc | 約25分 | 約15分 |
3合・5合 | 2合 | 540cc | 約25分 | 約15分 |
5合 | 3合 | 800cc | 約30分 | 約15分 |
羽釜の長所・短所
羽釜の長所は何よりもまず「おいしいご飯が炊ける」ことです。使い方が簡単なのも◎ 羽釜の短所は「タイマー機能がない」ことです。また最近の電気式炊飯器は「浸水」「蒸らし」の時間が要らない製品もあり手間がかかりません。羽釜は昔ながらの工程で炊くから「ひと手間」かかります。あとIH(電磁誘導加熱)で使えないのが短所です。
- おいしいご飯が炊ける
- おこげも作れる(任意)
- 炊くのが簡単
- 後片付けが楽
- 頑丈で使いやすい
- 健康に問題ない素材で造られている
- タイマーを設定できない
- IH(電磁誘導加熱)では使えない
- ご飯がおいしすぎて食べすぎ要注意
編集後記
羽釜は「2024年、買ってよかった品」の第1位にしたいくらいお気に入りです。日本の伝統的な道具は現在でも通用します。わが家の炊飯は圧力釜から羽釜に替わりました。高級な電気炊飯器を買う気持ちが起こりません。ご飯がおいしくなりますよ。